美容院と普通の事務所の違い
美容院の場合は事務所を借りる時と何が大きく違うでしょうか?
業種に限らず、まず事務所とやりたい業種の内装の違いを明確にしてみると注意点はおのずと分かってきます。
では、美容院と事務所で大きく違うところは? というと、セット面が付いており、シャンプー台がある。この2つが美容室には必要不可欠で事務所や物販店舗との大きな違いだと思います。
セット面については物販店舗の什器の一つのような物なので、そんなに気にしないで良いですが、意外に忘れがちなのはそのセット面にコンセントの、そこで主に使われるドライヤーの消費電力です。
ドライヤーの落とし穴
テナントを見渡すとどこかにブレーカーBOXがあると思います。ブレーカーBOXを開けてみると一番中心に親ブレーカーが存在しています。ブレーカーというのは予め決められた容量が決まっていて、何A(アンペア)以上使うとブレーカーが落ちますよ。となっています。
では、このアンペアとはどのような数字なのでしょうか?
A(アンペア)の計算はW(ワット) ÷ V(ボルト) = A(アンペア)と言う計算になります。日本の電力のV数は100Vと決まっているので大抵W数を見れば消費アンペアは分かります。業務用のドライヤーの場合で1500wの物を使用した場合、15Aを消費することになります。例えば40Aのブレーカーが付いていた場合は、15A×3台=45A>40Aになり、ブレーカーのアンペア数を越えブレーカーが落ちてしまうことになるわけです。単純に他の電力消費を含めなくてもです。
実際には他にも家庭用エアコンを付けていたり照明だったりレジだったりいろいろ電力を消費しているので2台でも落ちる可能性も十分考えられます。
事務所ならそんなに大きな電力を集中して使うこともないので、40Aで問題ない場合でも美容室の場合はセット面の数や従業員の人数によりいくらでもこのようなケースは発生する場合が考えられます。
アンペアを上げたい場合は、各契約の電力会社に連絡して相談してみて下さい。
小ブレーカーの割り振りにも注意
これは店舗工事の中の電気工事でどうにでもなるので、特に心配しなくても良いですが、知識としての話ですが、ブレーカーにはメインの親ブレーカーとその下にいくつかの小ブレーカーがあります。親ブレーカーと小ブレーカーでは容量が違いますので、例えば一つの小ブレーカーに集中してコンセントを割り振った場合、使用電力が親ブレーカーの容量以内だったとしても小ブレーカー側で容量オーバーになってしまい落ちることもあります。大きな電力を使うところが複数ある場合は、小ブレーカーもしっかり割り振っていなければ単純にアンペア数をあげただけでは問題が解消されない場合があります。
アンペアが簡単に上げられない
また、借りたテナントがビルなどの場合は、キュービクルという設備を設置してビル全体の電力を一度そこに集めてから各部屋に割り振っている場合が多いです。その場合はアンペア数を増やしたいという時でもビル全体そのものの容量が決まっており、すでにその容量に余裕がない時はアンペア数が上げられない場合があります。
そうした場合は他から新たに電線を引っ張ってこなければいけなくなるので、とても高額な工事になります。 借りてから気づいたでは、最初の大きなつまずきになってしまいますので、店舗を借りる時は前もってしっかり確認しましょう。